部下のやる気が感じられない時にするべき5ステップ
上司は部下を通して成果を創出します。
そんな部下のやる気が感じられなくなってしまったら、上司としては何かしらの手だてを打たなくてはいけませんね。
しかし、なぜあなたは部下にやる気を感じなくなってしまったのでしょうか。
今回は、そういった場合にまずあなたがやるべき確認や行動について紹介していきます。
部下のやる気が感じられなくなった時にすべきこと
ステップ1:部下のどういう言動や事実をみてそう感じたかを明らかにする
1つ目は、「部下のどういう言動や事実をみてそう感じたかを明らかにする」です。
感じたということであれば何かキッカケがあるはずです。
そのキッカケというあなたにとっての事実から、それを明らかにする必要があります。
例えば、
・休暇の取得が多くなった
・プロジェクト会議で領域外のチームの報告を聞かなくなった
・いつもより朝来るのが遅い、または早く帰る
・会議中にネガティブな発言をすることが多くなった
など、いくつも存在すると思います。
「感じた」というあいまいな状態に対し、事実を浮き彫りにするのです。
この事実を明確にすることで、次のステップが考えやすくなるよ
ステップ2:あなたの考える「やる気」とは何かを明確にする
ステップ2は「あなたの考える「やる気」とは何かを明確にする」です。
あなたは部下の何を見て、やる気があると感じるのでしょうか。
「やる気」自体はとても曖昧な言葉で、人によってその要素や基準が違う事を理解しましょう。
そのうえで、まずはあなたの考える「やる気」をステップ1で拾った事実から、明確にするのです。
例えば、ステップ1の例で「プロジェクト会議で領域外のチームの報告を聞かなくなった」というものがありましたが、これを例にとってみましょう。
思考の例
↓
↓
↓
などといったような感じです。
ここは、順序だてや展開の粒度がきれいでなくてもよく、段階を経ることが重要です。
このステップで、一足飛びにやる気が無いと決めつけているかもしれない自分自身と向き合うことになります。
これを考えることで、「あれ?結構こじつけてるかも」に気が付くケースも多いよ。
ステップ3:部下の立場や背景で事実を想像してみる
3つ目は、「部下の立場や背景で事実を想像してみる」です。
ステップ2で考えたのはあなたの言い分です。
では、次のステップでは部下の立場で物事を想像してみましょう。
ここのポイントは性善説に立って「やむを得ない状態だったのではないか?」を考えることです。
先ほどの例でいうと、
・もしかしたら自分の領域の状況が芳しくなく、余裕がないのではないか
・もしかしたら領域外のメンバーとの関係で何かあったのではないか
・もしかしたらそもそも今もキチンと聞いているのではないか
といった具合ですね。
相手の立場で想像することで、自分の勝手な思い込みで相手への評価をすることを防ぐという意味もあります。
ステップ4:事実と部下の立場で考えた想像をもとに対話をする
4つ目は、「事実と部下の立場で考えた想像をもとに対話をする」です。
4ステップ目でやっと部下との対話が始まります。
ここでの最重要ポイントは、「ステップ1の事実」と「ステップ3の部下目線での想像」だけで対話をすることです。
つまり、「やる気が感じられない」という所感と、「ステップ2の自分の判断基準」は絶対に使わないということです。
具体的には、
「間違っていたら申し訳ないけど、最近の会議で領域外の部分の話を聞く時間が短くなっているんじゃないかと感じたんだけどね、何かあった?」
という質問から入るような感じですね。(もう少し、事実だけにフォーカスする方が良いケースもあります。)
そうする事で、部下に起こっている事実や本心を聞ける可能性が高くなるでしょう。
まぁそもそもの信頼関係がないと聞けないけどね。
根本的問題!
ステップ5:自分に出来る具体的な行動を1つする
最後のステップは「自分に出来る具体的な行動を1つする」です。
やる気が感じられないと思ったのはあなた自身です。
ステップ4までのプロセスで明らかになった事に対し、具体的な行動を決めて、まずは1つ実践してみましょう。
ここでの重要なポイントは、「部下の行動ではなく、最初は自分の行動を1つ変化させる」ということです。
そのあなたの行動をみて、部下も何かを感じ、何かの行動が変わる可能性があります。
ここでのポイントは、「さぁ俺も行動したから次は君の番だなぁ」という欲しがる顔をしないことだよ。
それがわかると一気に冷めますもんね。
成果を創出するには能力以上にやる気が大事
モチベーションの大切さは多くの人が昔から説いているものです。
成果を創出する為の一番重要な要素だと言ってよいでしょう。
上司のあなたが部下に感じたものは、当然ステップで紐解いていくと何かしらのバイアスがかかっているかもしれません。
しかし、そのキッカケを見逃さず対話をすることが、成果創出の為の試行錯誤の一つの営みだともいえるのですね。
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