一流の社員が長時間労働をしているブラック企業は成功する(Amazonに学ぶ)
ワークライフバランスという言葉がバズワードとして繰り返し唱えられている今、真逆の考え方で成功したのでは?と言われた世界的な企業があります。人々の生活に無くてはならない存在にまでなっている世界的なインターネット通販サイト、Amazonです。
これだけ成功し、一流の社員が数多くいるのであれば、さぞかし福利厚生やワークライフバランスが整っているのではと感じますが、実際はまったくの逆で、壮絶なほどのブラック企業だという記事がニューヨークタイムズで紹介されました。
驚きですよね。創業者のジェフ・ベゾスさんはGeekWireで反論もしていますので、真偽のほどは断言はしませんが、これをひとつの成功事例として捉え、学ぶべきポイントをみていきたいと思います。
賢明且つ猛烈に長時間働く
ジェフ・ベゾスさんは自分自身、そして社員に対して賢明且つ猛烈に長時間働くということを常に要求しました。アマゾン・ドット・コムでは、「アマゾンは、賢明に働くことも、猛烈に働くことも、長時間働くことも出来るが、このうち2つを選ばなくてはならない」ということを求めています。そこから言い方が変わって、今ではすべてが出来ないとアマゾンでは生き残っていけないとまで言っているのです。
スピード感が違い過ぎる世界
インターネットの世界は、それまでのビジネスとはスピード感がまったくもって違います。昨日まで安定していた事業も、一夜で新しいサービスに置き換わる可能性すらあります。
フィジカルのビジネスでは考えられない速度で変化が起きますね。
例えばコミュニケーションツールで有名なslackでも、気が付いたら新しいサービスが強化されていることが多々ありますし、AmazonのクラウドコンピューティングであるAWS(Amazon Web Service)でもサービス機能が知らない間に沢山追加されていたりもします。
こういった覇権を争うインターネットビジネスの世界では、市場への投入スピードが速い分、それを実現する為に裏で沢山の人が猛烈に働いていることとも取れます。
アマゾンにとってのグローバルビジネスにおいて、ワークライフバランスや働き方改革での長時間労働抑制は、無縁なものなのかもしれません。
一流の社員が長時間働く
Amazonには、当然超が付くほどの一流のメンバーが揃っています。なぜ、彼らのような一流が労務環境としては評価されていないアマゾンドットコムで働いているのでしょうか。給料だって、同じような世界的な企業や満足度の高い企業と比べても高くない、むしろ安いくらいなのに。
それはやはり、世界を変えられる仕事を超一流達と一緒になって進めることが出来るという自負心なのだと思います。仕事を何のためにしているかという点ですね。圧倒的ナンバーワンだから出来る仕事、新しいサービスの構築、それをとにかく顧客中心に。という感じですね。
たしかにうちの会社でも、とにかく結果にこだわりたい、または早く成長したいという子は時間外でも仕事のことを考えていたり、勉強していたり、仕事と私生活がほぼ混ざっている感じだったりするわね。
それって過重労働にはならないですかね。
それは勤怠記録を…。
それはゼッタイ駄目なやつ!!
Googleは真逆!?
一方で、同じように大きく成功を収めている企業、Googleはまったく別の印象を受けます。転職サイトの口コミや働いたことのある人から聞いても、福利厚生や社員向けのサービスの充実さが凄いです。ごはんとか3食タダで食べれたりしますからね。長期休暇なども取りやすいようです。
早寝早起きは必須
しかし、Amazonの社員が猛烈に働くといっても睡眠時間なく働き続けているわけではないです。睡眠不足が生産性の低下を引き起こすのは想像しやすいですよね。ジェフ・ベゾスも、1日8時間は必ず睡眠時間を取っているのです。
※経済協力開発機構(OECD)の調べでは、日本の平均睡眠時間は7時間22分と、加盟国中で最短でもあり、平均よりも1時間も短いと言われています。(アメリカは8時間36分)
グッスリ寝て、起きている間猛烈に働くって形ですね。
社員が長時間労働をしているブラック企業は成功する?
単に長時間労働を社員にさせている会社、生産性の低い状態で無駄に残業しているような会社が成功することはありません。
・社員が本気で顧客の為に取り組んでいる
・プロアクティブに働きかける仕事だと自らが捉えられている
・ストレスマネジメントが出来ている
・見合った報酬が最低限保証されている
・健康を損ねないレベル
などの条件が揃っているからこそ、結果が出ているのではないでしょうか。
改正労基法も2019年4月から施行され、現代における働き方については、以下の記事でも紹介しています。
一番学ぶべきは考え方
Amazonでのハードワークについては、それはそれでひとつの例として参考になりますが、一番学ぶべきはその考え方にあると思います。
1.常に顧客中心に考える
2.発明を続ける
3.長期的な視点で考える
市場で勝ち残る為の大切なヒントだと思います。会社や事業の方向性だけの話ではなく、個人の働き方への意識、行動に向けての参考にしたいですね。
参考図書:Amazonの哲学(著:桑原 晃弥)
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