優秀な人が気を付けているバイアス5選
思い込みや自分勝手な解釈には気を付けたいですよね。
優秀な人、出来る人は自分の考えていることや物事の見方にバイアスが掛かっていないかを確認します。
自らを省みる上で、今回は代表的なバイアスの種類を5つ紹介していきましょう。
代表的なバイアス5選
代表的なバイアスには、次の5つがあります。
確証バイアス
確証バイアス(confirmation bias)とは、心理学用語で、仮説や信念を検証する際、それを正当化する情報ばかりを集め、反証する情報を無視する、または集めようとしない傾向のことである。
つまり、自分が正しいと思うものばかりに目がいくというものですね。
ウェイソン選択課題
ウェイソン選択課題(4枚カード問題)とは、ペーター・カスカート・ウェイソンが1966年に考案したロジックパズル演繹的思考を学ぶための有名な実験である。
テーブルにカードが4枚置いてある。
カードは片面には数字が書かれ、もう片面には色が塗られている
3・8・赤色・茶色
が見えている状態。この時、
「カードの片面に偶数が書かれているならば、その裏面は赤い」
という仮説を確かめるためにひっくり返す必要があるカードはどれか?
あなたはどのカード(複数枚)をひっくり返しますか?
おそらく、「8のカードと赤色のカード」を選ぶ人が多いと思いますが、これは不正解です。
赤色のカードをひっくり返す意味はないのです。(奇数でも仮説の反証にならない)
答えは、
「8のカードと茶色のカード」
ですね。
仕事上ので確証バイアス
仕事上での確証バイアスはどのようなものがあるでしょうか。
例えば、製品の出荷検証をする際に、
正しく動く検証ばかりして正しいかどうかの見極めが出来てない
ということが往々にして起こり得ます。
こういったケースだとこのバイアスが存在すると認知されているから、第三者検証が行われたりするよね。
正常性バイアス
正常性バイアス(Normalcy bias)とは、自分にとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりしてしまう人の特性です。
周りが変化していたり、危機的な状況が迫っていても「私は大丈夫と」自分に都合のいいように思い込んでしまうことですね。
災害時の正常性バイアス問題
東日本大震災でもこのバイアスが指摘されましたが、「津波の警報が出ているのに非難しない」という人が多くいたとされています。
昔は、「人はすぐにパニックを起こし正常な判断が出来なくなる」とされていましたが、
実際にはパニックを起こす人は少なく、楽観的思考でただちに非難しない事の方が問題だとされたのです。
仕事上での正常性バイアス
仕事上での正常性バイアスにはどのようになるでしょうか。
例えば業績不振に陥っている会社や事業でも、その定量的なデータや具体的な問題点から目を背け、気が付いた時にはすでに手の施しようがない状態になっていることが実際に起こり得ます。
このバイアスがかからないように、事前に基準やエマージェンシープランを練っておくことが重要になるね。
権威バイアス(ハロー効果)
権威バイアスは、別名ハロー効果といも言いますが、権威ある人のいう事は間違いないと思い込むことです。
例えば、ある分野の第一人者と言われる人が、別のまったく詳しくない分野のことを語ったとしても、
「この人が言うなら正しいはず」
と思ってしまうようなことですね。
ことわざで知る権威バイアス
あばたもえくぼ
好きな人であれば、あばた(皮膚の凸凹)であっても可愛いえくぼだと思ってしまうこと
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
これは反対の意味で使われていますが、あるものを憎むとそれに関連するものがすべて憎く思えてしまうというものです。
仕事上での権威バイアス
仕事上での権威バイアスとしては、
・過去に結果を出した人がいう事であれば全部正しく感じ、妄信した結果、大きな選択ミスを行ってしまう
・役職が高い人の指摘はすべて正しいように思える。
というものがありますね。
だからこそ、偉い人は自分に指摘をする腹心を大事にするんだね。
集団同調性バイアス
集団同調性バイアスとは、周囲の人と同じようにしておけばきっと正しい判断のはずと考えてしまう事です。
赤信号、皆で渡れば怖くない
この言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
本当はまずいことなのに、周りの大半がその判断や行動をしていると、群集心理としてそれが正しいと勘違いしてしまうものなのですね。
仕事上での集団同調性バイアス
不正事案なども集団同調性バイアスがかかっている時がありますね。
・歴任者や多くのメンバーがある品質チェックを手抜きしているから自分もそうする
・複数案から集団としての結論を出す際に、多くのメンバーがある案を推しているので、自分で考えずにそれに同調する
など。
指摘をされた時に、「他の皆もしてるし!」って言い訳する人、みっともないよね
自己奉仕バイアス
最後に紹介する自己奉仕バイアス(Self-serving bias)とは、成功したときは自分自身の能力によるものであり、失敗したときは自分ではどうしようもない外的な要因によるものだと思う事です。
テストの自己奉仕バイアス
学生時代のケースでいうと、
試験で良い点数を取ったのは自分の頭が良いから
試験で悪い点数を取ったのは自分以外に原因(先生の教え方が悪い、試験勉強をする環境を家族が阻害した等)がある
などですね。
仕事上での自己奉仕バイアス
仕事上での自己奉仕バイアスとしては例えば、
部下が仕事で結果を出したのは、上司である自分の支援のおかげ
部下が仕事で失敗したのは、本人の注意不足のせい
などですね。
これ系の上司って痛々しいよね。
そうですね。
でも出世している人にこの手のタイプが多いのも事実だね。奴らはうまいよ。
具体的な誰かを想像しながら言っていそうな口ぶり!?
バイアスを認識した言動をしよう
5つの代表的なバイアスは如何でしたでしょうか。
優秀な人は、このバイアスが他人にも自分にも存在することをよく知っています。
その上で、自らを省み、他人を省みて「今、バイアスが掛かってしまっているかもしれないな」という思考から、思い込みによる暴走を防いでいるんですね。
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