人の真似が上手いか下手かで優秀さは決まる
人の真似をすることに負い目を感じる人
「人の真似」と聞くと、ポジティブワードかネガティブワード、どちらに聞こえるでしょうか?
多くの方はネガティブワードに聞こえてくるかもしれません。
しかし、本当に優秀な人やオリジナリティがある人はこの「人の真似」の重要性を知っています。
今回は、人の真似の重要さについて、良い盗みと悪い盗みのポイントも交えながら紹介していきたいと思います。
人の真似って聞くと、「盗作」「パクり」ってイメージがあるかな。
ありますね。そういうイメージ。
人の真似すら出来ない人の方がもっとダメだってことを紹介していくね。
相変わらず辛辣!
・オースティン・クレオンさんの名言
・「良い盗み」「悪い盗み」の違い
・優秀な人が仕事で実践する真似の4つのポイント
について紹介していきます。
オースティン・クレオンさんの名言
無から生まれるものなんて無い
ライターでありアーティストであるアメリカ人の「オースティン・クレオンさん(1983年~)」は、このような言葉を残しています。
一流のアーティスト達は無から生まれるものなんてないということを必ず知っている。
創作作品には必ず元ネタがある。
100%オリジナルなものを作るなんて無茶な話さ。
オリジナリティとは元ネタがわからない盗作にすぎない。
よく、「人の真似をするんじゃなくオリジナリティを出せ!」なんていう風に指導する人がいますが、その人が「良い盗み」「悪い盗み」をキチンと区別が出来ている上で言っているのかは、重要なポイントだと思います。
「良い盗み」「悪い盗み」の違い
では「良い盗み」「悪い盗み」の違いについて考えていきます。
まず、オースティン・クレオンさんによる区別を見ていきましょう。
「良い盗み」「悪い盗み」
良い盗み | 悪い盗み |
敬意を払う | 作品を汚す |
本質を学ぶ | うわべだけすくう |
色んな人から盗む | 一人から盗む |
権利を尊重する | 盗用する |
作り替える | 模倣する |
リミックス | パクリ |
表:オースティン・クレオンさんによる区別
良い盗みとは、要素を真似て組み合わせる
良い盗みとは「要素を真似て組み合わせる」という事だと思います。
例えば、「フリクションボールペン」はご存知でしょうか。
フ…フ…フリッッックショーーン!!
ツッコむと調子に乗るから無視しよ…
全世界で20億本を売り上げた、文房具界隈のモンスター商品ですね。
これ、元々は1975年に開発された「温度変化で色が変わるメタモインキ」というものがあって、
しばらくは温度変化で色が変わるという特性を活かしたいくつかの商品が出回っていました。
この、
「温度変化をすると色が変わるインク」とボールペンを組み合わせることで、
「ボールペン=消せない」という固定概念を取り払い、大ヒット商品を生んだんですね。
フリクションボールペンはゼロから生まれた訳ではないことがわかりましたが、これを「パクリ」だと思う人はいませんよね?(むしろ「オリジナリティ溢れる作品」だと感じる人の方が多いと思います)
ビジネスモデルでも、「本体を安く提供し顧客を囲い込むことで消耗品で儲ける」というジレットモデルも、最初は髭剃りの剃刀からスタートしまたが、その後プリンターのインクなどでも転用されましたね。
こういった、要素、本質を真似て作り替えることで新しい価値を提供する。
これが良い盗みのポイントなのです。
優秀な人が仕事で実践する真似の4つのポイント
では、仕事をする上で、優秀な人が実践する4つのポイントについて紹介していきましょう。
最初に失敗事例を数多く見る
1つ目のポイントは、「最初に失敗事例を数多く見る」です。
業務を遂行する中で、例えばプロジェクト。
絶対に成功させるぞ!と意気込んで参加した際に一番最初にやって欲しいのが、この「失敗事例を数多く見る」です。
これはタイムリーに現場で見ることは難しいかもしれませんが、レビュー記録表や振り返りのドキュメントがあればそれを参考にすればよいですし、無い場合はそのプロジェクトに関与していた複数の人に話を聞くでも良いです。
※一人の人に聞いてしまうと、非常に偏った意見になってしまうので、出来れば領域や立場の違う複数の人から聞くことをオススメします。
「反面教師は教師の2倍くらい役に立つ」って名言もあるからね。
へぇ!誰が言ったんですか?
俺だね。俺が今、言ったんだね。
出た!ミスター名言風!
成功事例と失敗事例の差を見つける
2つ目のポイントは、「成功事例と失敗事例の差を見つける」です。
成功事例の紹介は数多く存在します。
しかし、その多くが本当の成功要因が語られていません。
元楽天の監督、野村克也さんの座右の銘「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」という言葉は、元々、以下のような肥前国第9代平戸藩主、松浦清の言葉です。
勝負は時の運とはいうものの、ひとつだけはっきり言えることがある。
偶然に勝つことはあっても、偶然に負けることはない。
失敗の裏には、必ず落ち度があるはずなのだ。
出典:『甲子夜話(松浦清)』
不思議と成功してしまったものはあるが、負ける時には必ず落ち度があると。
つまり、成功している案件と失敗している案件の違い、具体的にいうと失敗している案件の落ち度を調べることで、より強力な反面教師の要素を見つけることが出来る。
ということなのです。
事務処理などの非生産的な作業はパクりで効率化
3つ目のポイントは、「事務処理などの非生産的な作業はパクりで効率化」というものです。
仕事をする上で、事務処理などの内向きの作業は数多く存在します。
これらの処理時間を計測したことがある方はもちろん、計測していない方も肌感覚で感じるでしょうが、非常に多くの時間を割いていることがわかります。
こういった非生産的な作業は、工夫するのは勿論の事、工夫している人のやり方を徹底的にパクり、時間を作ることで生産活動の割合を増やしていくことが必要です。
事務処理などの非生産的な作業のやり方を真似して「パクりだ!」と怒る人はいませんよね?
たまに、この内向き作業に命をかけてるんじゃないかってくらい丁寧な人いるよね。
いますね。います。
人それぞれだからイイんだけどね。別にイイんだけど。
含み!
考え方を真似る
最後の4つ目のポイントが「考え方を真似る」です。
真似るというのは、外形的なものを真似て練習をする。という側面と、その内面にある考え方を習得するというものがあります。
先ほどのジレットモデルの例で説明すると、
外形的:ビジネスモデルを真似て消耗品などのランニングコストで儲ける
でしたが、内面にある考え方としては、
内面的:ある手段で顧客の囲い込みが出来ればフロービジネスでもストックビジネスのような儲け方が出来る
という考え方を得ることが出来るのではないでしょうか。
つまり模倣ではなく、思考やものの見方を身につける。
ということなのです。
何事も真似から
何をするに当たっても、最初は真似から始まります。
それはスポーツや芸術だけではなく、業務の遂行でも同じことが言えます。
正しい真似の仕方を身につけ、成長をしていきたいですね。
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