会議で意思を統一する方法

会議で意思を統一する方法

前回の会議で決まったはずなのに

効率の良い会議の仕方について、今回は「意思の統一」について紹介していきます。会議は何度か繰り返されることが多いですが、前回決まったと思ったのに何故か話が振り出しに戻っていたり、決定事項だと思っていたことが未決定になっていたりなど、そういった苦い経験は誰しもが経験していると思います。例えばこんなシーンです。

最初に「決定事項」「ToDo」を話していることを見ると、一応ファシリテーション自体は最初の会議でも実施しようとしたのだと思いますが、肝心の意思の統一が出来ておらず、前回の会議の繰り返しの議論が始まりそうになっています。これを防ぐにはどうしたらよかったのでしょうか。

意志の統一は論理と感情の両方を満足させる必要がある

意志の統一がされているという状態は、何を以って出来ていると判断出来るでしょうか。一つの答えとしては「参加者それぞれの行動に繋がっている」という事だと思います。機械的なファシリテートと事実の共有だけでは会議後の参加者の行動は促せない為、正しい会議運営とは程遠いと言えます。行動を促せる合意には、主に２つの満足が必要です。

１．論理的な満足

これは、意思を統一する為に、推測や憶測、単なる意見が混ざっていない明確な判断基準を用意し、納得感を得ることが必要だということです。先ほどのシーンで言うと、「会費は8,000円まで」というのは勝手なボーダーであって、判断基準が明確でなかったのです。それぞれの主張を再度確認してみましょう。

セロミさん：金欠の為、出せる金額に限度がある

ゾンビさん：特に会費についての言及はなし

マダム：金銭的余裕がある為、とにかく内容重視

つまり、会費の設定自体、一律である必要もない可能性もあります。線で考えてしまうと対立が起きてしまうため、判断基準を面にして考えるとブレイクスルー出来る可能性も出てくるのです。

次に、鍋の種類については、

セロミさん：言及なし

ゾンビさん：言及なし

マダム：美容にいいコラーゲン鍋とか

という意見があがっていましたが、これはまだ判断基準を明確にするほどの要素が出ていないということにもなります。こういった時は、まず「鍋の種類を決めるにあたって、それぞれの重要ポイントを明確にしましょう」ということを最初に議論し、判断基準を設定してから議論を始めるとスムーズにいくと思われます。

２．感情面の満足

論理的な満足の準備を整えるだけでは意思は統一できたとは言えません。議論をしているのは人間ですから、会議における感情面の満足も大切な要素となってきます。

具体的には

・全員で作り上げた会議だったか

・一人一人に気持ち良く議論をさせることが出来たか

・会議の趣旨（大きな方向性）を共有出来ていたか

の3点が守られていたかが重要となってきます。

これを実現する為にファシリテーターとして必要なのは「参加者それぞれの主張と重視するポイントを理解すること」だと言えます。沢山話をしていたからきっと満足しているはずというのは誤った認識です。

会議はみんなで作り上げる

今回紹介した意思の統一に向けては、参加者自身も心得として、その会議における位置づけと経緯については理解しておく必要があると言えます。