期待値を操作することで相手に満足感を与える
幸福感や満足感とは何か
上司「期待通りに仕事してくれなかった!」
部下「こんなに頑張ったのに正当に評価されていない!」
この二つの意見を同時に聞くことはよくあります。会社あるあるですね。上司と部下だけでなく、一緒に仕事をしている同僚との間でも発生しますし、別のシーンでいうと、家事を分担している妻と夫との間でも同じような話を聞いたことがあるかもしれません。一体なぜこの差が発生してしまうのでしょうか。
これは人は満足感を感じる場合に、絶対的な価値の感覚がなく、必ず何かとの相対評価しながら満足、または不満足を感じるということなのです。先ほどの上司部下の例でいうと、上司からしたら「過去の自分」「過去に同じ依頼をした部下」「これくらいやってくれたらその後の自分が楽になるという妄想」あたりと比較していますし、部下からしたら「別の上司からの仕事の依頼とその時の評価」「忙しいのは上司も知っているだろうし、これだけやっているから認められるはずという妄想」あたりと比較しているのではないでしょうか。
つまり、期待値をあらかじめどこに置いておくか。が結果が出た時の満足感との関係性に一番影響を与えるものという事なのです。
自分が満足感を得る為に出来ること
相手の満足度を上げる為に、まずは自分で訓練することをおススメします。
・転職先は嫌な人ばかりで居心地が最悪のはず
・テストで手ごたえはあったが、凡ミスがいつも多いので必ず平均点以下である
・仕事を任せたが、振り方も雑だったので、新人レベルのアウトプットが出てくるはず
ちょっと極端な言い方ですが、これくらい期待値を下げておくと、それを少しでも上回る結果を出してもらえると、素直に喜べて相手への感謝の気持ちもわいてきます。そうすると人間関係も円滑にできますし、一石二鳥です。ぜひ実践してみてください。
あと、特におススメなのが、夫に家事を任せた妻がこの手法を取り入れることです。妻と同じレベルの結果を最初から出せる夫はこの世に存在しません。妻がやったレベルのことを求め、結果に不満を持つと、夫婦仲も悪くなりますし、相手を本当の対等なパートナーにしたいからこそ、結果を最初は受け入れて称賛してあげてください。これはフェイスブックの女性COOであるシェリル・サンドバーグさんも著書の中で言っています。
たとえ夫にオムツの交換を依頼して、赤ちゃんの頭に被せてきたとしても。ですと。
相手に満足感を与えるために出来ること(エクスペクテーション・コントロール)
エクスペクテーション・コントロールという言葉を聞いたことはあるでしょうか。
これは顧客側の期待値をあらかじめ適正な状態にしておく。というものです。仕事の例でいうと、「その依頼はA資料とB資料を準備するという意味であって、AとBの相関資料は作りませんよ?」とか、「この依頼はあくまで売上の分析結果を提供するだけですので、意思決定に必要な要素に足りないものがあれば追加の依頼としてまとめておいてください」というような感じで、過度な期待をされそうな部分を潰しておくようなやり方もできると思います。
これだけ読むと、「なんか消極的だな…。」と思われるケースもあるかもしれませんが、「言わないでも空気読んで期待以上に結果出してきてよ」というのは日本人の悪い癖なので、あまり気にする必要はありません。この手の状況で不平不満を募らせる上司は、そもそも大したことがないですし。
まとめ
過剰な期待値を適切なレベルにしておくことで、幸福感や満足感を得られ、人間関係も円滑になるのです。
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