言葉で譲歩すると事実も譲歩してしまう

思考と表現
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言葉で譲歩すると事実も譲歩してしまう

意見を主張しない人

自分の意見が他人と違った時に主張をすぐに取り下げる人がいます。争いごとが苦手とか、他人の意見を尊重したいというポジティブな言い換えもできますが、すべての事柄で相手に譲歩することが正しいことでしょうか。

時には自分の意見を通すべきタイミングもあると思います。明らかに正しいという確証は無いとしても、先のことに不確かな事が多い中で、自分が信じる意見を通した方がその後の行動を促進出来ることもあると思います。

言葉には魂が宿る

ちょっとスピリチュアルな内容にも思えますが、心理学の研究結果としても言葉には脳への影響力があると言われています。

言霊とは

言霊(ことだま)とは、一般的には日本において言葉に宿ると信じられた霊的な力のこと。言魂とも書く。言霊(ことたま)は、森羅万象がそれによって成り立っているとされる五十音のコトタマの法則のこと。その法則についての学問を言霊学という。(wikipediaより)

【概要】声に出した言葉が、現実の事象に対して何らかの影響を与えると信じられ、良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こるとされた。そのため、祝詞を奏上する時には絶対に誤読がないように注意された。今日にも残る結婚式などでの忌み言葉も言霊の思想に基づくものである。

 

ラベリングによるピグマリオン効果とゴーレム効果

ラベリング

ラベリングとは、文字通り相手にラベルを貼ることで相手の心を動かすテクニックです。例えば「あなたはとても気が利きますね!」と言うことによって相手は(私は気が利くタイプなんだ!)と思い込み、本当に気が利くようになるというものです。他には、「君は不良だから」と言われ続けると、本当に社会のルールを逸脱するような行動を起こすようなことでもあり、良い面でも悪い面でもこのラベリングというのは心理学的には非常に効果が高いテクニックだと言われています。

ピグマリオン効果

ラベリングによる効果のうち、比較的ポジティブなもので、人間は他人に期待されることによって学習・作業の成果を上げやすくなるというものです。アメリカの心理学者であるローゼンタールさんが教師からの期待の有無が生徒の学習成績を左右するという実験結果をもとに報告したもので、ローゼンタール効果、または教師期待効果とも言います。「君は優秀だからこのプロジェクトの成果、とても期待しているよ!」と上司が部下に声掛けしている姿はよく見かけますが、意図しているか無意識なのかはさておき、この効果が期待できるコミュニケーションであることが言えます。

語源としてはキプロスの王ピグマリオンが自分で彫った象牙の乙女像を愛し続けた結果、乙女像が本物の人間になったというギリシア神話におるものです。

ゴーレム効果

ピグマリオン効果の逆がゴーレム効果と言います。負のピグマリオン効果とも呼ばれます。人に対し悪い印象を持ち接することにより、実際に悪い人になってしまうことを指します。具体例としては、例えば教師が生徒と接する際に、この生徒は成績の良くない生徒だと思いながら、この生徒に対して成績の上がる見込みがない期待度の低い状態で接すると、その期待通りに生徒の成績が下がることがあるというものです。「君は不出来だからこの仕事は無理だよね」などと言っているいると、本当に出来なくなってしまうというようなものです。

つまり言葉で譲歩すると事実も譲歩してしまう

言葉の重みや心理学的な効果がわかりました。例えば、「君にはこの案件は荷が重いと思うから手を引いた方がいいよね」と問われた場合に、(とりあえず言い返すのも面倒だしこの場だけは認めてやり過ごしておくか)などと考えて譲歩してしまうと、いつの間にか事実としてもそうなってしまい、自分の能力や周りからの評価もそのようになってしまう恐れがあるのです。

銀七先生

腐ったみかんと言われる生徒が非行に走るみたいな話ですねぇ。

 

フラン健

やっぱり先生のクラスでも不良が居たんですか?

 

 

銀七先生

いや、うちの3-A組はそれはもう普通の生徒だから問題を起こすなんてことはなかったですねぇ。

 

 

フラン健

それはそれは良かったです。

 

 

銀七先生

だから私、毎日言ってましたよ。「お前たちはごく一般的な普通のみかんだ」って。

 

 

 

フラン健

それこそ普通ってラベリングして生徒の可能性を摘んでますから!!

 

 

言葉の重みを知って、自分にも相手にも前向きな言葉を使おう

今回は言葉の重みがわかりました。ラベリングは想像以上に影響の大きいものです。「言葉じりだけなら今はいっか」なんて譲歩すると、いつの間にか本当にその通りに向かっていってしまうので、まずは言葉から拘っていきましょう!

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