ビジネスライティングで必要な要素の中で、会社組織内の提案書や企画書のケースで考えた場合の「完璧さ」についての話です。
ケースによって違う場合もありますが、多くの場合にあえて完璧を目指さないライティングを行うことがあります。
※当然、大方針やキーメッセージレベルではずらすことはしないし、誤字や脱字レベルの話ではない。
特に内部の提案書、企画書の場合にはレビューが設定されており、それなりのレビューア(大抵の場合は上位上司などの意思決定者または”お財布もっている人”)が存在する。
彼らのミッションは、
1.提案や企画が通すに値するかの判断を行う
2.提案や企画の抜け、漏れや考慮不足点を補い、成果物としての品質向上に努める
という事であるが、会社組織の中でそのプロセス、ゲートとしての役割を与えられている分
3.2を実施することで機能としての役割に正常に貢献できている
ということを示し続けておかないとけないという背景が存在する。
その為、白々しくない程度に考慮不足点をいくつか散りばめておくことで、彼らが機能していることを証明しておくのだ。
これの副次的な効果として(というか一番の効果)、2を実施することで提案や企画に対しての思い入れを持たせることができ、その先の仕事をする上での各種援助が非常に受けやすくなるのだ。
一見、小利口なやり口の本質からズレたものだと思えるかもしれませんが、本当に自分がやりたい提案や企画は「実現することが一番大切」なのであって、その手段の一つだとして割り切っておくのも、スキルとしては必要かもしれません。
なお、
完全・・・不足や欠点がないこと
完璧・・・不足や欠点がまったくないこと
らしいです。
完璧という言葉の語源について(中国の故事に由来)
趙という国の恵文王(けいぶんおう)が「和氏の璧(かしのへき)」という宝玉を持っていた。それを、秦という昭王(しょうおう)が使者を送り、「和氏の璧」と「趙の国内の15の都市」との交換をしたいと言いました。
しかし敵対している国だったので、「和氏の璧」を差し出せば、奪われるだけだろうし、、でも断れば攻められるし。。
そこへ、相如(しょうじょ)という人物が現れ、使者となります。
相如が秦に「璧」を手渡したが、15の都市を交換するそぶりもないため、「その玉にはキズが。」と説明をし「璧」を奪い返しました「15の都市と交換するつもりがないなら「璧」は持ち帰ります!それでも駄目なら、柱に打ちつけて砕くわん!」と叫びました。(語尾がわんかは不明)
秦の昭王は、殺すには惜しい奴と、「璧」とともに帰国させることにしたのです。そうして、相如は仕事を完(まっとう)して帰還したというのが語源です。
ちなみに僕はあえて穴をいくつか用意した資料を提示してこっぴどく怒られたこともあるし、「自分じゃ全然気が付かなかった新しい穴」を見つけられて、穴なんか用意しなくても全然大丈夫だったこともあるよ。
痛々しい思い出ですね。
コメント