働き方改革で日本人の生産性は高まるのか
働き方改革ってキーワードが空虚に聞こえ始めてきた
最近、「働き方改革が~」「当社も働き方改革を~」なんて言葉を幹部や経営層から耳にすることが多すぎません?
学校なんかでも先生がニヤニヤしながら言ったりしますよ。
もう政府が打ち出した働き方改革の基本的な考え方とか全体像とかを完全に無視して、「(とりあえずこのワード出しときゃなんとかなるだろう)働き方改革やー!」なんて言っているケースも増えてきているよね。
ほうほう
ここまでバズワードになっちゃうとそのうち、「日本人の歴史的・文化的背景を考えた場合、一番相性の良いのは逆働き方改革や!!」って訳のわからない論理で圧倒的残業を推奨する運動も始まったりしそう。
綺麗な言葉を並べている経営者でも、よくよく聞いていると中身の施策が無いまたは具体的ではなく、噛み砕くと「法整備されちゃうから残業が法改正後の基準を超えないようにウルトラCで調整してね!」、「仕事は今まで以上に短時間で成果を出せ!」としか聞こえないものも多いですね。
もちろん、法整備には拘束力があって、そのおかげで救われる労働者もいるはずですけどね。
働き方改革の基本方針と労働時間制について
厚生労働省では、働き方改革についての基本方針を以下のように掲げています。
働き方改革 ~一億総活躍社会の実現に向けて~
働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等のための措置を講じます。
ポイント1:労働時間法制の見直し
ポイント2:雇用形態に関わらない公正な待遇の確保
この中での労働時間法制の見直しについての改正ポイントは
- 時間外労働(休日労働ふくまず)の上限は、原則として、月45時間・年360時間となり、臨時的な特別な事情がなければ、これを超えることはできなくなります。
- 臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、以下とする必要があります。
- 時間外労働:年720時間以内
- 時間外労働+休日労働:月100時間未満、2~6か月平均80時間以内
- 原則である月45時間を超えることができるのは、年6か月までです。
- 法違反の有無は「所定外労働時間」ではなく、「法定外労働時間」の超過時間で判断されます。
- 大企業への施行は2019年4月ですが中小企業への適用は1年猶予され2020年4月となります。
となっています。
働き方改革で日本人の生産性は高まるのか
働き方改革の関連法案は労働時間に関するものだけではなく、不合理な待遇差をなくすことによって今まで働きにくかった人の労働力化に寄与する側面もある為一概には言えませんが、労働時間の抑制によって日本人の生産性は高まるでしょうか。想定される変化は以下です。
個人の生産性の差が大きく開き始める
今までは労働時間が半ば強制的に長くなり、仕事を通して嫌々ながら勝手にスキルアップしていった人材が労働を通して学ぶ機会が減り、生産性が落ちる。また、自らが継続学習してスキルアップできる人材の生産性が高まる。またこういった人は進化するITを利用するスキルも高く、恩恵の受け方、生産性の向上が指数関数的に伸びる可能性もある
企業から発表されるデータでは生産性が上がっているように見えるが、日本人の一人あたりのGDPが増えていかない
「生産性とは何か」という点に立ち戻るタイミングがあると思われます。局所的な処理能力の測定を以って「弊はこんな生産性向上を行いました!」と発表する企業が多発すると思いますが、生産性は利益を基準に語られるべきです。
過少申告での晒上げ企業がいくつか現れる
法整備からすぐに労働時間の改善が出来る企業は実質少ないと思われます。おそらく、同調圧力によって法整備後の基準を超えて働かざるを得ない労働者が増え、不正を行う企業がジワジワ表面化して罰則を受ける企業がいくつか出てくると思われます。そのあたりから急速に厳密な労務管理の変更を行う企業が増えるでしょう。
結論
概ね多くの人の生産性が下がり、一部の人の生産性が指数関数的に伸びる。
そもそも働き方改革関係なくそうなりそうですけど。。
バレたか…。
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