本当に価値を生む会社はお客様の視点に立たない
「お客様の視点に立って」
「お客様第一主義」
耳障りのよい言葉で、企業スローガンを掲げる経営者は数多くいます。
しかし、このスローガンは本当に正しいのでしょうか。
今回は、この言葉の裏に隠された間違いポイントと、本当に価値を生む会社はお客様の視点に立たないということを解説していきます。
勘違いしがちなお客様視点
では、まず「お客様視点」を短絡的に捉えた場合に間違えがちなポイントについていくつか紹介していきましょう。
お客様目線がいつの間にか上から目線になっている
1つ目が、「お客様目線がいつの間にか上から目線になっている」です。
いくつかの成功体験をしている企業や事業が陥りがちなミスです。
今までの経験から「こうすれば客は喜ぶんだろう?」といったように、いつの間にかお客様の思考や求めていることを、さも完全に把握しているような錯覚に陥ってしまう状態です。
絶えず時勢が変わりゆく中で、その時そのお客様に求められているものは変化していくものです。
知っているつもりにならず、知ろうとし続ける姿勢が大切になります。
そんなこと言ったって、どうせデザートにティラミスかパンナコッタでも出しときゃOLは喜ぶんだろう?
30年前で思考が止まってる!!
お客様の言う事はすべて正しいという盲目
2つ目が、「お客様の言う事はすべて正しいという盲目」です。
これは一見、お客様の意見に耳を傾ける優良企業とも思えますが、非常に危険な状態でもあります。
お客様の声を聞くのは良いことですが、そのすべてが正しいとは限りません。
そのお客様個人はそう思っているかもしれませんが、他の属性のお客様は別のことを考えいてる可能性もありますし、そもそも
「安い方が良い」「品質が高い方が良い」という声は当然誰でも言います。
一番
「あったらいいなと思う製品やサービス」
「お金を出してでも欲しいと思う製品やサービス」
には、雲泥の差があるのですが、前者後者どちらの意見かを識別できないパターンが多いと言えます。
お金を出してでも欲しいと思っている人の切実な意見かどうかを見極める耳が必要になるのです。
お客様は神様です!って知ってる?
聞いたことあります。
三波春夫さんと宮尾たか志さんの対談で生まれたんだけど、本来の意図から外れ、クレーマーが言い訳に使い始めたのがマズかったんだ。
三波春夫にとっての「お客様」とは、聴衆・オーディエンスのことです。客席にいらっしゃるお客様とステージに立つ演者、という形の中から生まれたフレーズです。
「歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って、心をまっさらにしなければ完璧な藝をお見せすることはできないのです。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです」
本当のお客様視点に立てる企業の特徴
では、本当のお客様視点に立てる企業の特徴とは、どのようなものがあるでしょうか。
自分の視点=お客様の視点
1つ目が、「自分の視点」=「お客様の視点」に立てる企業です。
これが実践できている一番有名な企業と言えば、googleです。
googleは経営者や従業員、そしてのその家族のすべてgoogleの利用者でもあるのです。
彼らは、例えば企業間同士のうまい話を持ち掛けられても、
「私や私の家族が使うサービスにそんなものはいらない」
という判断が即座に出来ます。
つまり、短期的且つ自己中心的な利益に囚われることがないということなのです。
お客様第一という言葉を口にする企業は多いですが、このような考え方が出来ている企業は一握りと言えます。
企業の優良性を問う時、「自分の子供を自分の会社で働かせたいか」というような質問をすることもあるよね。
日本の会社員の大半がNoと答えるやつですね。
そうそう。根幹は同じ質問なんだよね。きっと。
本質的な問題に対する解決策を考える
2つ目は、「本質的な問題に対する解決策を考える」です。
つい企業は、
「どういう製品・サービスなら売れるか」
「この製品・サービスを売るにはどのようにすればよいか」
ということを中心に考えがちです。
しかし、本当に価値を生み出す企業はそういう思考ではないのです。
本質的な問題に対する解決策を考えます。
たまに「地球救う!」みたいなこと言っている貧乏企業あるよね。
あれは今回のケースでいうと優良企業なんですかね。
いや、利益を出すのは企業生存の絶対条件だから、そういう意味で問題外だね。
自分視点に立つと自然とお客様視点になる文化に
価値を生む会社の「お客様視点」という観点のポイントを紹介しました。
お客様視点と言葉にするのは簡単ですが、それを実践することが非常に難しいこともわかりました。
是非、自分の視点がそのままお客様の視点になるような企業文化を醸成していきたいですね。
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