沈黙は金なりは大ウソ。実際は雄弁の方が金なり。

仕事術

沈黙は金なりは大ウソ。実際は雄弁の方が金なり。

「沈黙は金なり」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

ベラベラと雄弁に話すよりも、黙っていた方が良いというイメージでこの格言を憶えている人が多いでしょう。

しかし、実は多くの場合において沈黙よりも雄弁な方が良いとされています。

今回のその理由について紹介していきます。

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沈黙より雄弁が金とされる理由

議論に勝つのは沈黙よりも雄弁

1つ目は、「議論に勝つのは沈黙よりも雄弁」です。

ディベートや口論において、勝敗を決める一番の要素が何かご存知でしょうか。

話の論理性?知識の量?説得力がある?

実はそのどれでもなく、「話した量が多い」というのが、一番の分かれ目なのです。

信じられないかもしれないのですが、知識の量などは本当に関係ありません。

人間は感覚的に「話す量が多い人=知識量が多い人」と誤認してしまう生き物という特性もあります。

セロタイ

ベラベラ喋るとボロがでてそこを突かれるって意見もあるよね。

フラン健

そうですよ。話せば話すほど突かれる可能性は増えますよね?

セロタイ

そのケースも、ボロが出た後に相手に多く話されているだけなんだよ

フラン健

そんなものなんですかね。

相手にさせられている沈黙は負けとみなされる

2つ目は、「相手にさせられている沈黙は負けとみなされる」です。

議論や口論における沈黙の多くのケースが、相手にさせられいるケースが多いのです。

一気にまくしたてられて頭が真っ白になっている。言葉に詰まる。良い反論が思い浮かばない。

理由はいくつもありますが、反論は出来るけど敢えて言わないケースの方が圧倒的に少ないと言えるでしょう。

また、普段の仕事の中で例えば資料のレビューがあったとします。

資料を作った人=レビューイ

資料をチェックして指摘する人=レビューア

の構図として、レビューアはレビューイの作った資料の穴や論理破綻している部分をみつけて指摘をします。

そうすると、レビューイはそれを基本的には黙って聞いていますね。

それを第三者的に見ている人はどのように感じるでしょうか。

殆どのケースで、「レビューイの方が知識が豊富で優秀、正しいことを言っている」と判断するのです。

ここで重要なのは、本当に知識が豊富で優秀かどうかは関係が無い。ということなのです。

セロタイ

立場っていうフィルターがかかると、見え方も大きく変わるということなんだね。

この名言にはある枕詞がついている

3つ目は「この名言にはある枕詞がついている」です。

この名言は、トーマス・カーライル(Thomas Carlyle 1795年~1881年)というスコットランドの思想家のもので、

Speech is silver, silence is golden.

と、まさに「雄弁は銀、沈黙は金」なのですが、

この名言のもっと以前から存在する元の格言があります。ローマ帝国のギリシア人著述家、哲学者であるプルタルコスさんが残した書物に書かれているものですが、原文は以下です。

Silence at the proper season is wisdom, and better than any speech

ここで重要なのは、日本語に訳すと、

適切なタイミングの沈黙は英知にして、あらゆる雄弁よりも勝る」

というものなのです。

この適切なタイミングというのは、そうでないタイミングでは雄弁の方が優れていると読み取れますよね。

セロタイ

西洋のイメージってさ、みんな自己主張が激しくて雄弁なイメージない?

フラン健

ありますあります。

セロタイ

みんなベラベラ話すから、この名言が生まれたっていう説もあるよ。日本人はそもそも話すよりジッと聞く性質もあるから、逆なのかもね。

 

沈黙は金、雄弁は銀の諸説

銀は金よりも価値がある?

こんな話もあります。この格言、銀の方が価値があるのでは?というものです。

今我々は「金>>>銀」という価値感覚でこの話をしています。

具体的にいうと、2019年5月20日時点だと1グラムあたり

金:4,937円

銀:58円

と、100倍近く金の方が価値があるとされています。

しかし、古代エジプトでは銀の方が価値があるとされていました。

ちょっと信じられない話ですよね。

しかし、古代エジプトは紀元前の話で、格言が生まれただいぶ前の話なので、この説の信ぴょう性は低いと言えるでしょう。

どちらも使いこなせるのが本物の金

雄弁と沈黙、人によってどちらに価値があるかは考え方が違うと思います。

格言のまま受け取るのは間違っていると今回はお伝えしました。

しかし、重要なのは、「どちらもタイミングによって使いこなせる」ということとも言えます。

どちらも、自分が選んで戦術として使いこなせるようになりたいですね。

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