情に流されて動くリーダーは組織を潰す
日本人の理想とするリーダーは情に厚い?
2019年2月15日、明治安田生命が「理想の上司」アンケート調査の結果を発表しました。
ドキドキ…。
ドキドキ…。
二人とも入ってないから安心してください!
理想の上司アンケート結果(2019年)※明治安田生命調べ
■男性部門
1位 | 内村光良 |
2位 | ムロツヨシ |
3位 | 博多大吉 |
3位 | 設楽修 |
5位 | 所ジョージ |
5位 | 長谷部誠 |
7位 | 明石家さんま |
7位 | イチロー |
7位 | 大泉洋 |
10位 | タモリ |
■女性部門
1位 | 水卜麻美 |
2位 | 天海祐希 |
3位 | 吉田沙保里 |
4位 | 深田恭子 |
5位 | 有働由美子 |
6位 | 北川景子 |
7位 | 石田ゆり子 |
8位 | 渡辺直美 |
9位 | 米倉涼子 |
10位 | いとうあさこ |
いかがでしょうか。上位者が支持された理由としては、
内村光良さんが支持された理由TOP3:「優しい」「親しみやすい」「頼もしい」
ムロツヨシさんが支持された理由TOP3:「優しい」「親しみやすい」「おもしろい」
水卜麻美さんが支持された理由TOP3:「親しみやすい」「明るい」「おもしろい」
だったそうです。
ここからわかるのは、「日本人は情に厚く親しみやすいリーダーを理想としている」ということです。
当然、部下としては付き合いやすい上司は理想的かもしれません。
しかし、組織運営という視点で見た時に、情に流されやすい上司は時として組織に悪影響を及ぼすことがあり、最悪の場合は組織を潰しかねません。
今回は、情に流されて動くリーダーの弊害を紹介していきます。
情に流されるリーダーは組織を潰す
リーダーに必要な資質は論理性と合理的な判断
リーダーに必要な資質としてまず挙げられるのは、論理性と合理的な判断なのではないでしょうか。
日々状況が変わる中で、限られた情報をもとに最適な選択肢を選び、決断していく。
論理的な判断は、論理的でない判断に比べて成功の確率が高いのは誰しもが想像しやすいと思います。
例えば、このようなケースでリーダーはどのような判断をするでしょうか。
■ある事業の状況
・今までかかったコストが20億円
・しかしライバル会社が競合となる事業を立ち上げた
・その為にこの事業はしばらく赤字が続く見込み
他にもいろいろな変数があるでしょうが、上記の情報だけで考えた場合、あなたならどういう決断をするでしょうか。
多くの人が、「この先儲からないなら事業売却や撤退をする」と答えると思いますし、それが正しい判断とも言えます。
しかし、本当の現場であなたがリーダーだった場合に、その決断が本当に出来るでしょうか。
現実は情に流されて判断を誤るリーダーが多い
先ほどの例、自分がもし立ち上げから携わっている事業だと想像してみて下さい。
数十人、数百人くらいの人があなたと一緒にこの事業を信じ、一緒に汗水たらして頑張って来たのです。
その事業を簡単に諦めきれるでしょうか。
その事業を諦めることで、一部の社員をリストラせざるを得ないかもしれません。
しかし、その事業を情で継続した場合には、最悪、組織全体を潰し全社員を路頭に迷わせる可能性もあるのです。
情に流されやすいリーダーは判断を誤るのです。
情に流されて判断を誤る理由
では、情に流されて判断を誤る理由を紹介していきましょう。
情で判断した方が精神的に楽
一つ目は、「情で判断した方が精神的に楽」というものです。
先ほどの事業の例で言っても、その事業に思い入れのある熱いメンバーからすれば、撤退の決断は簡単に納得の出来るものではありません。
おそらく、撤退の意思を告げたら全力で非難してくるでしょう。
まさに、その人からすると論理ではなく気持ちの問題なのです。
そういった場合、その非難を全面に受けるより、同じように情で判断した方が、非難も受けませんし、精神衛生的に楽だと考えてしまうのです。
論理的に考え抜いたと勘違いしている
二つ目は、「論理的に考え抜いたと勘違いしている」です。
論理的に考えても結論が出ず、最終的に情理で判断する場面は当然存在します。
しかし、そこに行き着いたと勘違いをしてしまうリーダーが多いということです。
本当に論理的に、合理的な判断をする為に考え抜いた状態なのでしょうか。
途中であきらめてしまって情での判断に流れているのがこの二つ目のケースです。
そもそも合理的な判断が不得意な人種である
三つ目は、「そもそも合理的な判断が不得意な人種である」です。
日本は高度成長期の時代に、会社という社会主義的な感覚のある組織体系で成功を積み重ねてきました。
年功序列で徐々に上がる給料体系、師弟のような上司部下の長期間の関係性。
高度成長期には上手くはまった制度だったのかもしれませんが、すでに制度疲労を起こして変革を必要としている事は日本の現状を見ればわかると思います。
これまでのような形で、情での判断をすることで組織を円滑に回し、成功体験もいくつか生んできたのだと思います。
その為、そもそも情が先に来てしまう、合理的判断が苦手な人種だという事がそもそも理由として存在するのです。
その他に、失敗するリーダーの5つの性格的な特徴もありますが、↓の記事で紹介しています。
合理的な判断だけではダメな理由
合理的な判断の必要性は理解が出来ました。
しかし、論理や合理性だけではダメな理由も存在します。
2つ紹介していきましょう。
論理や合理性だけでは解けない問題が存在する
一つ目が「論理や合理性だけでは解けない問題が存在する」です。
例えば、
事業撤退を迫られた場面で10人リストラすれば何とか事業を継続し、黒字化することが出来るとしましょう。
この場合、リストラ候補にされたある人の家庭で、親の病気の治療で多額の医療費がかかるが、今の会社に籍を置いていれば借金が出来るとわかった場合、今回のリストラは正しかったと言えるのでしょうか。
きっと言えませんし、「じゃあもう少しそういった事情が少ない人を優先してリストラを…」というのも間違っているといえます。
合理性だけでは正しかったかどうかの判断は非常に難しい場合があるのです。
そもそも論理で人は動かない
二つ目が、「そもそも論理で人は動かない」です。
先ほど、「合理的判断が不得意な人種である」という説明をしました。
人はそもそも、そして日本人は特に情理で動くことが多い為、それを理解しておく必要があります。
理解をする為の論理と合理的な説明。そして人を動かす為の情理の両面をバランスしていく必要があります。
両面のバランスが大事
情に流されて動くリーダーは組織を潰すということについて学びました。
しかし、人を動かすのは情(心)でもあるので、二つのバランスをうまく使い分けられるリーダーになっていきたいですね。
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