埋没コストを理解して正しい判断をするコツ
はじめに
「仕事上の案件で作っているシステムがビジネス要求とマッチしないことがわかった。この先の開発、続けるべきか。」「映画館で観ている映画が想像以上に面白くない。このまま観続けるべきか」など、仕事やプライベートで判断を求められる場面はいくつもあります。こういったときに、正しい判断をさせなくするのが「埋没コスト」です。※筆者は「勿体ないオバケ」とも言うことがあります。
正しい判断をするために、埋没コストとは何か。を理解しておきましょう。
埋没コストとは何か
埋没コストというものはどういうことでしょうか。定義としては以下です。
埋没費用(まいぼつひよう、英: sunk cost 〈サンクコスト〉)とは、事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止をしても戻って来ない資金や労力のこと
例えば、1億円の開発案件Aがあったとして、現在までに8千万円を使っています。完成までの費用を再確認したところ、4千万円かかるとしましょう。この開発が完了した際に、得られる価値が7千万円です。同じメンバーで立ち上げられる開発案件Bが3千万円のコストで5千万円の価値を得られるとします。
単純に案件ごとのコストと価値の計算をしてみましょう。
A:価値7千万 ー (投入コスト8千万円+追加コスト4千万)=マイナス5千万円
B:価値5千万 ー (コスト3千万円)=プラス2千万円
こう見ると、A案件を中止して、B案件を選んでしまいそうですが、ここで問題になってくるのが「投入コスト8千万円」です。これはA案件を続けても、B案件に切り替えても戻ってこない費用なのです。つまり、この時点の判断として正しいのは、投入コスト8千万を除き、
A:価値7千万 ー (追加コスト4千万)=プラス3千万円
B:価値5千万 ー (コスト3千万円)=プラス2千万円
ということで、Aが正しい判断ということです。(本当のビジネス上はこんなに単純ではないですが)
この、どうやっても戻ってこない過去のコストのことを埋没コストといいます。
日常生活での埋没コストの考え方
例えば、女性のあなたが3時間の婚活パーティに行ったとします。会費は1万円の前払い。最初のテーブルに着いて男性陣と30分ほど話してみてがっかり。どれもこれも理想とは程遠い条件。さて、ここであなたならどうしますか。
婚活パーティに居続ける場合:会費1万円と3時間の時間を失う
婚活パーティから帰る場合:会費1万円と過ぎた30分は失うが、残りの2時間半を自分の為に使える
この時、「会費1万円」「過ぎた30分」はもう取り返せないものなので、埋没コストということなので、正しい判断基準は、
婚活パーティに居続ける場合:2時間半で理想に近い男性と出会う確率
婚活パーティから帰る場合:2時間半を自分の為に使うこと
を天秤にかけるのが、埋没コストを理解した判断基準ということなのです。
まとめ
取り返しのつかないものを現在と未来の判断基準にするのは勿体ないです。埋没コストを正しく理解して、正しい選択をしましょう!
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