お客様が本当に望むものは自分で説明できない

思考と表現

お客様が本当に望むものは自分で説明できない

私たちは仕事をする上で、お客様が望むものを提供したいと思っています。

しかし、その難しさも実感しています。

「お客様の声を第一に」とは聞こえが良いですが、本当にそれを実践できている会社はあるのでしょうか。

そして、お客様の声を第一優先事項として取り組んでいる会社は、これを実現できているのでしょうか。

答えは否です。

今回は、本当に人々に望まれるものがどのように生まれるかについて紹介し、その要素を学んでいきたいと思います。

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アンケート調査の弊害

まず、お客様の声の代表格であるアンケートについて紹介していきたいと思います。

お客様の声を直接的に聞くよい接点だと考えられますが、実はそうではありません。

「アンケートをとると必ず
ヘルシーなラップサンドやサラダがほしいと要望があって
商品化したけども売れたためしがない。
ヘルシーなサラダでなくメガマックが売れる。
お客は言うこととやることが違うからお客の話を聞いてはだめ。」

日本マクドナルドの元社長の原田泳幸さんが、ツイッターでこのように述べました。

これは、お客様の声について語ったものですが、ここには「ステレオタイプ脅威」というバイアスが掛かっているのです。

ステレオタイプ脅威:自分自身の属性に対する否定的や偏見とも呼べる様々なマイナスのステレオタイプ存在する。

無意識のうちにそれが心の重荷になって、本来の実力が発揮できなくなったり、考え方や発言、行動に影響してしまうことがあります。これをステレオタイプ脅威と呼びます。

つまり、今回のマクドナルドのケースでは、

・高カロリーのジャンクフードよりもヘルシーで栄養素の高いメニューを食べるべき

という固定概念やありたい姿がバイアスとなり、アンケート結果に影響を与えているのです。

当然、アンケートを答える際に普段自分が考えていることより、見栄を張って良い事をいいたいという心理が働いていることもありますが、

もう一つここで重要なのは、お客様は本心を言っているつもりということです。

無意識のうちに、普段の行動とは違う「こうありたい姿」を語ってしまっているのですね。

本当に欲しいものは見せられた時に認識する

過去のあなたは本当に欲しいものを説明できたり、イメージすることは出来たでしょうか。

殆どの場合、あなたの欲しいものは他人に見せられた時に認識しています。

セロタイ
セロタイ

30代の男性が本当に欲しいものを認識したケースはいくつか知っているよ

ゾンビさん
ゾンビさん

どんなケースですかね。

セロタイ
セロタイ

スーパーファミコンを友達の家で始めて触った時かな

ゾンビさん
ゾンビさん

たしかに…。

セロタイ
セロタイ

あと、ストⅡ(ストリートファイター2)を初めて友達の家でプレイした時。

ゾンビさん
ゾンビさん

それも経験あります。

セロタイ
セロタイ

みんゴルを初めて友達の家でプレイした時。

ゾンビさん
ゾンビさん

そうですね。。

セロタイ
セロタイ

バーチャファイターを…

ゾンビさん
ゾンビさん

ゲームばっかりやないか!友達の家でゲームしてばっかりやないか!

セロタイ
セロタイ

じゃああとはiphoneを手にした時とかね。

ゾンビさん
ゾンビさん

投げやりな言い方!

これらを事前に「こういったものが欲しい」と表現できる人は殆どおらず、見せられて初めて、

「あぁ、私はこれが欲しかったんだ」

と気づくことが出来るのです。

本当に欲しいものは自分の中にある

では、こういった世の中の人が本当に望んでいるものを生み出すにはどのようにすればよいでしょうか。

答えは、自分が強く欲しいと願っているものを発見するのです。

人は生産者であり、消費者でもあります。

そして自分が本当に欲しいものは簡単には見つからないことも良く知っています。

・自分はこれがあると本当に生活が豊かになるのか

・自分の父親にこれを本当に使わせたいと思うのか

・自分の子供にこれを本当に与えたいと思うのか

というように、「自分や自分の身内を属性として考える」「本当にという言葉を使って確かめる」という2つの振り返りをして、それを判断するようにしているのです。

自分で説明出来ないからこそ、感動する

お客様が本当に欲しがっているものを自分で説明することができないということを紹介しました。

そして、自分で説明が出来ず、イメージが伝えられないからこそ、

それと出会った時に感動する

とも言えます。

これから、ITそしてAIが発達し、インターネットが生まれた時とは比べ物にならない変化が訪れると言われています。

その中で、「私はこれが欲しかったんだ」という感動が訪れることもあるでしょうし、

私たち自身も感動を与えるようなものを提供していきたいですね。

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