論語とは仕事術の教科書(人格者にも憎む人はいる)
人格者のイメージ
あなたの周りの人格者を想像してみて下さい。どんな特徴があるでしょうか。
気配りが出来る、平等、一本筋が通っている、穏やか、優しいetc…いくつかのイメージが沸くと思います。
人柄が良く品位があり、一見、他人を憎むようなことが無さそうな印象を受けますが、論語では、人格者にも憎む人はいるということを伝えています。
今回は人格者が憎む人を紹介し、人格者でも憎む人を知ることで反面教師に出来ればと思います。
人格者にも憎む人はいる
論語、陽貨第十七では、次のように紹介されています。
子貢問いて曰く、君子も亦た悪むこと有りや。子の曰く、悪むこと有り。人の悪を称する者を悪む。下に居て上を謗る者を悪む。勇にして礼なき者を悪む。果敢にして窒がる者を悪む。曰わく、賜や亦た悪むこと有りや。徼めて以て知と為す者を悪む。不孫にして以て勇と為す者を悪む。訐きて以て直と為す者を悪む。
意味はちょっと長いですが、
弟子の子貢が孔子に質問した。
「君子でも憎むことがありますか?」
孔子が答えた
。「憎むことはある。人の悪い点を喋りあげる者は憎む。下の位にありながら上の位の者の陰口を言う者を憎む。勇ましいが礼儀が無い者を憎む。行動力があるが道理に通じない者を憎む」
また、孔子が言った。
「賜や、君にも憎むことはあるかな」
「人の意見を奪い取って自分の意見のようにしている者を憎みます。傲慢なのに、それを勇ましさだとしている者を憎みます。人の秘密にしておきたいことを暴き立てて、それを素直さだと言う者を憎みます」
噛み砕いて紹介すると、
1.他人の短所をベラベラ言う奴
2.上司の陰口を言う奴
3.勇ましいけど礼儀に欠ける奴
4.行動力があるけど理にかなってない奴
5.人の意見を盗んで自分が考えたみたいに言う奴
6.傲慢なのに自分では勇ましいと思っている奴
7.秘密をバラして、「隠し事が出来ないタイプだから」とか言う奴
殆どは納得のいくものだと思いますが、「4.行動力があるけど頑固な奴」だけは憎むまでいくかな。という疑問が残りますね。
行動力があるけど頑固な奴
行動力があるけど理にかなってない奴って、憎むほどのものなんですかね。
そうだね、他のに比べるとコレだけなんだか違和感あるよね。銀七先生に見解を聞いてみよう!銀七先生~!
はいはい。話は聞かせてもらいましたよ!銀七的勝手な解釈ですけど、孔子がいたこの時代、中国の春秋時代は群雄割拠真っ只中の戦国時代だったので、組織の和を乱して勝手に行動し、しかも道理にかなっていない場合、自国の存続の危機にまで発展する可能性もあったから、憎むべき人にカウントしてるんじゃないですかねー。
凄くそれっぽい!ゼッタイ想像で勝手に書いているのにそれっぽい!です!
まぁそうだろうね。これは会社組織でも同じようなことが言えるんじゃないかな。組織としての動きが出来ず、勝手に行動して会社を存続の危機に陥らせるとか、例えばコンプライアンス違反の事件などをみてもわかるよね。一人の勝手な行動だけで会社全体に影響を及ぼすって。うん、思った通りだ。
さっそく「人の意見を奪い取って自分の意見のようにしている者」に該当してる…。
人格者でも憎むべき人はいる
「そもそも人としてどうなの?」と、「組織を潰しかねないよ?」というパターンの人に対して、人格者でも憎むべき人がいることがわかりました。
前者は人としての基本的な部分ですが、組織人としてのあるべき姿も重要な要素だということですね。
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