仕事の出来る人は相手を追い込みすぎない
逃げ道をまったく作らない人
切れ者と言われる人があなたの周りにも居ると思います。そういう人の中で、相手を徹底的に追い込んでしまう人はいるでしょうか。例えば、マルチベンダーで対応しているプロジェクトに問題が発生した際に責任がどこにあるかをハッキリさせる会議の場とか、見積もりの説明をした会社に対して顧客側が内容の不備を徹底的に突いたりする交渉の場など。一見、完全勝利を収めて周囲から羨望の眼差しで見られているようにも思えますが、これは非常にリスクがあることを理解しておいた方が良いでしょう。
窮鼠猫を噛む
有名なことわざなので、ご存知の方も多いでしょう。
窮鼠猫を噛む
追い詰められたネズミが追い詰められて逃げ場を失った際、必死になって猫に噛みつくことがあるということから、絶体絶命の窮地に追い詰められると、弱者が強者に逆襲することがあるというたとえ話
つまり、相手を負かせた後にあまりやりすぎると、痛い目をみるリスクが高まるというもので、イタチが追い込まれた時から出来た、最後っ屁って言葉も同様ですね。
躬寇(きゅうこう)には、迫ることなかれ
これは中国古代・春秋時代の武将・軍事思想家である「孫武」という人が書いた兵法書、「孫子」に書かれている言葉で、追い詰められた敵、負かした敵をそれ以上追い詰めることはしないこと、逃げ道を必ず作っておいてあげることという意味です。
これは、前述の窮鼠猫を噛むのリスクを下げる意味や、逃げ道を作ることで温情をかけ、その後の統治をやり易くするという目的も存在します。これは仕事でも同じことが言えます。顧客に追い詰められたベンダーが顧客側の不利益になるようなことを企てたり、別の領域のサポートも打ち切るというような強硬に出たり(ここまではあまりないと思いますが)、現実的には、取引をしないと見限って、別の案件の打診には応じてくれないなどですね。
部下育成にも通じる
部下の育成上も、この言葉は忘れずに体現出来るようになっておくべきです。上司部下の関係性として、立場上の優位を持っている上司からの言葉は殆どの場合が指示となりえますし、理想論的には上司の方が経験豊かで指摘も正しいので、どうしても追い詰めかけてしまうことになりがちです。そこで上司自身が気持ちよくなって徹底的に部下を追い込むなんてことをしていると、間違いなく信頼関係は失われるでしょう。部下とのやり取りは当然育成のために間違いを指摘しますが、まったく逃げ場もない状態にしないように、気を付けましょう。
すぐ詰めたがる人
ゾンビさんさ、この前依頼した資料出来てる?
あ、出来てますよ。今印刷しますね。
ちなみにこちらから聞かないと、完成した事は一生伝えてくれなかった感じ?
え、いやそんなことないです。そろそろ言おうと思ってました。
そろそろって何?ちなみに途中経過の連絡も無かったよね。
すみません。。
まぁいいや、ちょっと見せて。うん。最初のページの目次が「概要内容」ってなっているけど、これ日本語として変だよね?ますだおかだじゃないんだからさ、韻踏んでおけばいいみたいな、90年代後半のHIP-HOP大流行りのJ-POP市場はもう忘れてくれる?
いや、そんなつもりはないですし、誰も悪そうな奴らは大体友達なんて言わないですし。
うん。私語は慎もっか。悪そうな奴と言っても君の場合は具合の悪そうなやつなんだろうし。ほらゾンビだし。
いや、あの…。
何?
なんでもないです。。
こら!あんたそもそも資料作り丸投げしてるんじゃないわよ!アタシはアンタに頼んだんだから!!
ご、ごめんなさーい。
ってセロミさん、その資料作り、僕はあなたに頼んだんですけど!丸投げですよね??
あははごめんねー!
どこかの業界のような凄い多重構造。。
逃げ道を用意して相手に心理的な安全性を確保しよう
心理的な安全性はチームで仕事をする上で、生産性に寄与する割合が高いという話は有名ですが、指摘、指導の場だけでなく、勝敗や優劣を決定する場でも相手側の心理的な安全性を確保する事が重要です。自分の気持ち良さを高めるなどというレベルの低い考え方は今すぐ捨て去って、より良いコミュニケーションをとっていきましょう。
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