1分間マネジャーから学ぶ1分間叱責法
上司は部下の行動について、明らかに間違っている、または改善が必要な場合には叱責する必要があるタイミングが少なからず存在します。
人を叱るのは思っている以上に大変ですよね。
今回は、アメリカでベストセラーになった「1分間マネジャー」という本から、叱責の仕方を学んでいきましょう。
1分間叱責法(叱責の前段階)
その1.部下がやっている事をハッキリと、あいまいで無い言葉で指摘すると事前に伝える
一つ目は、「部下がやっている事をハッキリと、あいまいで無い言葉で指摘すると事前に伝える」です。
前もって知らせておくことで、「突然言われてショックを受ける」というのを防ぐ効果もありますし、「自分を鍛える為、成長させる為に敢えて率直で厳しい言葉を選んでいるんだ」という事を覚悟することが出来ます。
これを宣言しておけば、どんなに辛辣な言葉をかけてもいいという免罪符なのかな!?
違うから!
1分間叱責法(叱責の前半戦)
その2.間違っている点はただちに叱る
間違っている点は即座に叱ることが重要です。すぐに伝えることで、どの部分や行動が間違っていたかをすぐに理解することが出来ます。
犬や猫のしつけでも、その時に褒めたり叱らないと伝わらないでしょ?
例えが実は的確だけど部下に失礼!
その3.何が間違っているかを具体的に教える
3つ目は、「何が間違っているかを具体的に教える」です。
「これは良くないよ。」など、抽象的な言葉では相手に伝わりません。
相手はその行動を善かれと思って実行しているのですから、なぜ間違っているのかを具体的且つ論理的に示す必要があります。
犬や猫にトイレの場所を教えるのも、本当の場所に連れて行ったりするでしょ?そういう具体的な教え方が必要だよね。
だからすぐ犬猫で例えないで!
その4.間違いを見て、自分がどう感じたかを部下にハッキリした言葉で話す
4つ目は、「間違いを見て、自分がどう感じたかを部下にハッキリした言葉で話す」です。
具体的な間違いの指摘を論理立てて説明しても、それだけでは改善のアクションに繋がらない場合があります。
人は論理だけでは動きません。信頼関係がキチンと結ばれているのであれば、その時あなたが感じたかもハッキリと表現した方が、より伝わりやすくなるでしょう。
信頼している人に「すごく残念に思った」って言われたらショックだもんね。
急に普通なこと言い始めましたね。
その5.不愉快でも、数秒間の沈黙を作り、相手にしみじみと味わわせる。
5つ目が、「不愉快でも、数秒間の沈黙を作り、相手にしみじみと味わわせる。」です。
人は誰でも自分の時間を生きていますが、叱責するあなたは叱責する前からそのことに向き合っていますが、叱責される側はあなたに言われて初めてそのことと向き合います。
論理的な理解と感情面の納得には時間差が存在するので、この味わわせる時間帯が必要なのです。
その沈黙の間に仮眠でも取るのがオススメだよ!
また変なこと言い出した!
叱責の後半戦
その6.本心から見方であることを身体的態度で示す
叱責をされた側は、それまで信頼関係が結べていたとしても、それを疑うことをします。
その信頼関係、具体的にはその人が自分に危害を加えるものではない見方であることを再認識させることが重要になります。
米国の例では、握手したり肩に手を置いたりするらしいんだけど、日本だと一発レッドでセクハラ認定されたりするから気を付けてね!
そういう面だと、日本人にはこの6つ目は結構難しかったりしますね。
その7.部下を高く評価している事を思い出させる。
7つ目は、「部下を高く評価している事を思い出させる。」です。
なぜあなたが叱責されているのか、それは期待の裏返しだということを改めて伝えることをオススメします。
これはポイントの1つ目でも伝えておく必要がありますね。
指摘を経て更に成長できる存在だと上司のあなた自身が考えているんだと。
単純にストレスのはけ口として叱責をしたいなら、それも最初に伝えておくべきだよね!
シンプルに上司失格!
その8.この状況での実績は別として、好意をもっている事をもう一度ハッキリ言う。
8つ目は、「この状況での実績は別として、好意をもっている事をもう一度ハッキリ言う。」です。
7つ目と似たようでしつこいようですが、部下からすると「この叱責を受けた実績で、嫌われてしまうのではないだろうか」と本気で考える場合があります。
フォローの仕方次第で、信頼関係が薄れてしまうか、より強固なものになるかが変わってくるのです。
「それとこれとは別にして…好きだ!」ではダメだよ。
同性でもおっさんズラブみたいになっちゃう!
その9.叱責が終わったら、それですべておしまいという事を認識する
最後の9つ目は、「叱責が終わったら、それですべておしまいという事を認識する。」です。
ネチネチ同じことを何度も指摘するのは気分の良いものではありませんし、叱責されているという事実に対する感情面の負担ばかりが増えて、本来の目的が達成できなくなります。
叱責は端的に、その場面だけで終了!というハッキリした態度で臨みましょう。
世界がすべておしまいということじゃないよ!
補足しなくてもそれはわかってます!
叱責上手は上司上手
最近は「褒めて伸ばす」がスタンダードになっています。
しかし、改善に即時性を求める場合、やはり叱責はある程度必要です。
1分間マネジャーの叱責のポイントを押さえ、上司上手になっていきましょう。
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