交渉術と人間関係
「交渉術」と「良好な人間関係」、一見相反するキーワードに見えますが、実は良好な人間関係を築く上で非常に重要な要素だといえます。
- なんでギクシャクしてしまうんだろう
- こんなに頑張っているのに理解されないなんてきっと相手が悪い
- 自分ばっかり損している
交渉術の基本的なステップについて
いくつかの交渉のテクニックを紹介していますが、今回はそのベースとなる基本について紹介します。テクニックを活用する以前に、交渉がうまい人がどういったステップで交渉を進めるかについてです。
大きく分けて4つのステップで構成されます。
1.Plan(プラン)
2.Encounter(エンカウンター)
3.Agreement(アグリーメント)
4.Relationship(リレーションシップ)
それぞれのステップで説明していきましょう。
1.Plan(プラン)
これは交渉の作戦計画を作ることです。
例:交渉のゴール設定、ZOPAの決定と相手側ZOPAの予測。利用する交渉術の種類ややり方
ちなみにZOPAとは
交渉が妥結する可能性のある条件範囲のこと。
Zone of Possible Agreementの略。交渉はZOPAの範囲内でいかに交渉結果を相手の限界値の近くに持っていくかつまり、いかに自分の利益を最大化するかという事を示している。
相手の限界値を予測すること、自分の限界値を予め決めて置くことが交渉を有利に進めるための必要な要素となる
また、あらゆる計画の基本となる5W1h(「いつ(When)」「だれが(Who)」「なにを(What)」「どこで(Where)」「なぜ(Why)」「どのように(How)」を決めておくのもこの計画段階では重要だ。交渉タイミングや相手が置かれている状況など、
日々変化する状況下で最大限の結果(こちらにも、相手にも)を出すために準備しておく活動すべてのことをここでは指している。
2.Encounter(エンカウンター)
これは交渉に関連する人が知り合い、交渉事の雰囲気が作られ、ウォームアップをしていい関係性を作り上げることをいう。
交渉のゴールは理想論でいうとWin-Winの関係になることなので、まずはお互いの信頼関係を構築することが重要なのだ。
(もちろん、対峙する交渉なども場も存在し、良好な関係性からスタートできない場合もあるが、それでもお互いの利益を最大化するにはこのエンカウンターのステップは非常に重要だといえる。
例:交渉後にどういった関係性になっているかの共有、敵意があったり対峙したいわけではないという説明、アイスブレイクの会話等
3.Agreement(アグリーメント)
一般的に、交渉自体はこのステップのこと、特にここで実践させるテクニックのことを指すことが多い。
お互いが折衝、話し合い、駆け引きの後合意を取ること
がこのステップの目的だ。
例:結果の再確認、今後のアクションの確認、書面でのやり取り
いくつかの交渉テクニックは以下の記事で紹介しています。
4.Relationship(リレーションシップ)
最後のステップは、
交渉後に合意したことをきちんと実行し、関係を持続することです。
交渉というのはその場限りのものではなく、お互いの関係性を維持するために調整した決まり事という意味も存在するものの為、交渉後の
このステップを真摯に、取り付けた約束を守り、そして時には変更が必要になった約束事をお互いに合意しながら修正していくのもこのステップ役目です。
一口に「交渉」と聞くと、一過性の戦いのようなイメージを持つことが多いと思いますが…。
例:交渉後のこちらのアクションの共有、相手先状況の把握、定期的な訪問など
この4つのステップを理解して臨むことが、交渉の基本でありこの4ステップに分けて準備し、実践することでよりお互いの関係性を良好なものにし、利益を最大化できるのだと思っていただければと思います。
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ちなみに、なんか準備が大変そうだと思っても、最低限「この交渉においての自分のゴールと妥協点は何か」「相手はそもそも何を望んでいるかの予測」の2つだけはあったほうがいいです。これもなく、なんとなーくで交渉に臨んでいる人の多いこと多いこと。。
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